オーストラリアの語学学校で
最も印象的だったのが、
言葉や文法の意味を
絵や写真、
先生の質問(CCQ)を通して、
生徒に聞きながら授業を進める
生徒中心のスタイルです。
今回は、
オーストラリアで出会った
TESOL取得の先生方が授業の中で頻繁に使っていた
CCQ(Concept checking questions)について、
TESOLコースで学んだことを
お伝えします。
CCQとは?
Concept checking questionsの略で、
生徒が意味(Concept)を理解しているか
チェック(Check)するために問う、
質問(Question)のことです。
生徒が本当に理解しているか確かめるための
発問と捉えても良いかもしれません。
CCQを作るときの決まり
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シンプルに
あくまでも、生徒が意味を理解しているか、チェックするための質問なので、シンプルに聞きます。長々とした質問は、生徒が逆に混乱してしまうため、適していません。
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簡単な言葉で
難しい言葉で質問すると、かえって生徒の混乱を招いてしまいます。
生徒のレベル、またはそれより低い、簡単な言葉で聞きます。 -
TL(学ぶ言語)を使わない
TL(Target Language=学ぶ言語)をチェックするための質問なので、
TL自体は使わず、別の易しい言葉で言い換えて質問します。 -
絵や写真でわかるものは、具体的な言葉で説明しない
絵や写真で分かるものは、わざわざ言葉で質問するよりも、
シンプルに聞くと良いです。例えば、"apple"を理解しているか、チェックする場合、
(a: appleとb:orangeの絵を見せながら)
"Which shows apple, a or b?"と生徒に聞くなどです。
CCQの作り方
CCQの作り方について、
Target Language(=生徒が学ぶ言語:以下TL)
を"approve"として、
approve の意味を理解しているか問うCCQを実際に考えてみましょう↓
1. Cambridge 辞典など辞書でTLの意味を調べる。
She doesn't approve of my friends.He doesn't approve of smoking.I thoroughly approve of what the government is doing.反意語
意味をメモをするか、
PC上で作業する場合は、コピー&ペーストで
wordやメモ帳に貼り付けておきます。
2. 辞書に出てきた意味を、かたまりごとに分ける。
to have positive opinion/ of someone or something
辞書で出てきた単語の意味を
上のように意味のかたまりごとに分けてみます。
3. 部分ごとに先生の発問(Teacher:以下T)と生徒の予想される答え(Student:以下S)を考える。
① ②
to have positive opinion/ of someone or something
①②の部分に対する発問を
それぞれ考えます。
例えば、
①
T: When you approve of someone, which kind of feeling do you have?
Is it positive or nagative? - S: positive
T: Can we say, "I approve of this plan."?
S: yes.
T: Can we say "I approve of this woman."?
S: yes?
T: That's right. We can also approve "someone".
4. 具体的な例を挙げる。
具体的な例をCCQで挙げながら、
生徒の理解を深めます。
T: Do you approve of tatoos? S: yes/no
T: What does this restaurant approve of?
(タバコを承認しているレストランの写真を見せながら)
S: " It approves of smoking."
T: "That's right! "
5. 同義語/反意語を聞く
同義語(synonym)または反意語(antonynms)
を聞きます。
T: Can you think about any synonyms? / What's the similar word for "approve"?
S: accept/ agree..
T: Can you think about any antonyms?/ What's the opposite word for "approve"?
S: hate, refuse, reject...
まとめ
今回は、単語の意味を生徒が理解しているかを確認する
英語授業で効果的なCCQ(Concept checking questions)についてご紹介しました。
上記の全てをするのではなく、
生徒が言葉を理解するのに一番効果的で
分かりやすいのはどれか考えながら
CCQを使ったり、使わなかったりすることが大切です。
実際に、TESOLコースを受ける方は、
トレーナーの先生にどんどん質問すると、
新たなCCQのアイディアが得られるかもしれません..!
少しでも英語の授業を考えているあなたへ
参考になれば幸いです。